あん・だんての遠距離介護ってどんな感じ? ひとり暮らしの父 × 遠方に住むひとり娘
遠方に住んでいるご家族の健康や生活について、お悩みはありませんか?
富山では、「介護は家族がするもの」「私がやらなければ…」と、負担を感じる方が多いように思います。
家族にとって、介護の形はどうあったらいいのでしょうか。
この連載では、あん・だんての「病院付き添いサービス」「やりたいこと伴走サービス」を、2年にわたってご利用いただいたお客様の体験談を通して、「遠距離介護」「これからの介護の形」について考えていきたいと思います。
高齢の父を遠距離介護で見送った娘のKさんと、あん・だんて代表の橋本さんにお話を伺いました。
(文:ワールドリー・デザイン)

<その1はこちら
長い間富山で1人暮らしをされていた、Kさんのお父様。95歳を過ぎて体調を崩され、1人暮らしは難しくなってきたのでは、と、ご本人もKさんも思い始めます。
1人娘のKさんは、新幹線を乗り継がなければ行けない遠方に住んでいます。自分の生活拠点を動かさずに、父を見守り、勇気づける手段はないかと考えていました。
スマートフォンのビデオ通話で、顔を見ながら通話できることに気づいたKさんは、お父さんにスマートフォンを贈ることにしました。
毎日の、親子の5分会話がはじまりました。
毎日5分の会話でつながる、父と娘の新しい関係
K「父が一番ほっとして落ち着く時間で、私も調整しやすい時間を、考えてやってみて、夜の7時にしたんです。私は『今日、何言おうかな』、父も『娘に何言わなきゃいけないかな』って考えてたみたい。その日のトピックスを教えてくれました。最初は覚えて話してくれてたけど、最後の方は『忘れっぽくなってるからメモしておかないと』って言ってたな」
技術職に長く就いており、新しいものが大好きだったお父様。そんなお父様でも、最初はスマートフォンを使いこなせなかったそうですが、周りの人の支えで軌道に乗せることができました。
K「連絡先は身近な人だけ入れてすぐ使えるようにしたんだけど、いろいろ触ってたら違う画面が出てきて消せなくなったりして、戸惑ってしまったようで。
その頃、自宅に医療マッサージの方が毎日来てくれていたんですが、その方が『ちょっとの間だったら一緒に見るよ』って、マッサージ後に数分だけ私と通話するのを手伝ってくれたんです。最初はつきっきりでサポートしてくれる人がいないと、なかなか使いこなせないものですね」
橋本「やっぱり、毎日電話をするのがいいのでしょうか?」
K「曜日を決めるとかもありだよね。でも、毎日だからこそわかることってあると思う。それに、毎日だったら話が長くならないの。ためて話をしなくていいから。男親だからというのもあると思うんだけど……。母親だったらこうはいかないかも。
あとは、顔を見てることがいいの!顔を見るとほっとするんだと思う。父が、『これは今までもらった贈り物の中で一番良かった、最高だ』って言ったのよ。
それに、周りの風景を見られるのもいいのよ。家でご飯の用意してて、ほら〜って見せたりすると「ああそうだ、ご飯だね」って。近くにいる夫の顔を見せると「こんにちは」ってあいさつしたり……。
私が外に出てることもあったの。夜の7時に決めているから、美容院で髪を切ってもらいながら繋いで、美容師さんとお話したり。職場で同僚に紹介すると『あら~お父さんなの!若いわね~』って言われて喜んでいたり、『今、富山に帰る切符買いに来てるよ〜』って話かけた時もあったわ。
たったの5分だったから、「出かけてるから後にしよう」とはならずに、毎日続けられたの」

実はとても大事な、介護の『精神的なサポート』
Kさんと橋本さんは、遠くにいてできることが限られていたからこそ、親子にしかできない関わりができたのではないかと考えています。
K「いやな言い方をすると、電話で指示してるような側面もありますよ(笑)娘だから、色々厳しく言っちゃう。でも一方で、父にとっては、今日は娘に何を言おうっていう張り合いにもなったみたい」
橋本「具体的な何かをしてあげることはもちろん大事ですが、精神的なサポートも大事なんだなって、Kさんから学びましたね」
K「私、介護って、最後だけじゃなくて、生きてるうちにどれだけのことができるかが大事なんだと思う。どれだけっていうのは、父や母の時代みたいに『尽くしました』ってことじゃなくてね。
遠くにいるとできることは限られる。だから、毎日顔を見せる。私は元気だよって言って、元気?って聞く。咳してるけどどうしたん?今日顔むくんでない?って。気にかけることが、距離を越えるのかも。遠いんだけど、『気を遣われてるな』って思える、それはすぐ側にいることと同じなのかなって思う」
橋本「Kさんが日常的にされていた精神的なサポートは、例えば親の不安を受け止めたり、選択を尊重しながら時にブレーキをかけたり。それから、できなくなったことを否定せずに見守る……など、関係が近い人にしかできない、とても大事なことばかりです。
実際にそばにいなくても、近くにいるのと変わらない関わりができるんですね。親御さんと遠くに離れている方は、『自分は側にいられない、何もしてあげられていない』なんて思わないでほしいですね」
*
「介護は家族がするもの」「私ががんばらなければ……」と思っていませんか?
親子の数だけ、介護の形があります。
一人で抱え込まず、周囲にいる介護のプロに相談して、知恵を借りましょう。
あん・だんてでは、通院付き添いサービスでご家族とあなたをサポートしています。
あん・だんての「病院付き添いサービス」
●保健師、看護師、ケアマネジャーの資格を持つ者が、専門知識でお手伝いします。
●公的制度を活用したアドバイスを行います。
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