ナースソフィア株式会社

(株)ナースソフィア代表取締役  訪問看護ナースソフィアにいかわ所長 村井 敏美 様

橋本さんとの出会いは10年くらい前になります。当時、私が働く地域の地域包括支援センターにケアマネジャーとしてお勤めでした。訪問看護師をしている私はとてもお世話になりました。
橋本さんは地域包括支援センターのケアマネジャーとして活躍される傍ら、地域のさまざまな問題に目を向けて、その問題について口で語るだけではなく、それらの問題を改善、解決すべく、実際に行動するエネルギッシュな人でした。医師に対しても臆することなく、ご自身の考えをきちんと伝えることのできる人でした。


なので、「独立する」と聞いたときは、ああやっぱり橋本さんだ!と思ったのでした。
私はかつて、サービス付き高齢者住宅を併設する訪問看護ステーションで勤務していた経験があります。体調不良の入居者が発生すると、受診の必要性が出てきますが、その際は受診付き添いの為にご家族が呼ばれます。ところが、ご家族はその方の状態についてほとんど情報を持っておられません。そうなると、受診しても医師に状態を伝えられない。すると、診断が浅くなったりして、結局、数日後には悪化して救急搬送を余儀なくされるという事態になる場合がありました。また、受診して戻られても、ご家族は医師の説明をよく理解されておらず、どんな検査を受けてどんな診断をされてお薬が処方されたのか、サ高住でどう経過を見守っていけば良いのかがわからず、困ることが多々ありました。そこで、受診に付き添われるご家族に対し、医師に状況が伝わるように情報を記入した連絡票をお渡しし、さらに、検査内容や医師の説明内容、処方内容、経過観察の注意点などを記入してもらうように医療機関の看護師さんに事情を説明してお願いしたりしていました。やむを得ない場合は、無償で受診に付き添うこともありました。正直、通常業務の傍らで負担を感じていました。そのころから、「こういう時に医療の知識があって、医師とちゃんと話せて、私たちに伝達してくれるサービスがあればいいのに。」と何度も思ったものでした。


なので、橋本さんから「あん・だんて」設立の相談をいただいた時は一も二もなく、大賛成でした。さすがは橋本さんだ!目の付け所がすごい!と思ったのでした。
しかし、現実には誰もやっていないサービスを形にして世の中に広めていくことは容易なことではありません。しかし、私はこのサービスはこれからますます進む高齢化社会にはなくてはならないサービスになっていくと確信しています。だって、今や当たり前に街中で見かける介護タクシーだって、草創期はだれもその存在を知らなかったし、最初に始めた方はどれほどの苦労があったことでしょう。訪問調剤だってそうです。薬剤師さんが家に来てくれて薬の管理をしてもらえる世の中になることをだれが想像していたでしょう。
制度の隙間にはたくさんのチャンスがあると思います。あったらいいなというサービスがまだまだあるはず。誰も気づいていないけれど、いや、気づいていても現実に形にしようとするにはそれ相応の覚悟が必要です。
その覚悟を持って、実現にこぎつけた橋本さんはやっぱりすごいなと思います。

いまは、原野を切り開き、石ころを踏みつけ、いばらで顔を撫でられ、傷だらけになりながら、たった一人で試行錯誤しながら、道を切り開いている橋本さんですが、きっと、5年後、10年後には橋本さんが切り開いた道をついて来る人たちが出てくると思います。
橋本さんがつけた道しるべを頼りに同じ道を歩き始める人が出てくると思います。
私はそんな橋本さんをずっと、ずっと応援し続けたいと思います。
先駆者として、胸をはって「ライフサポートあん・だんて」を発展させていってほしいと切に願います。
橋本さん、がんばれー!!